今西千登瀬の「住まいの判断力」講座 Vol.2ネットの不動産情報を鵜呑みにしない「価格」を見る前に知っておきたいこと

「売り出し価格」と「成約価格」は同じではありません。

ネットに載っている価格はあくまで売り出し価格。
実際の成約価格は、市場や物件の条件、交渉などによって変わります。

大切なのは、
価格だけを見るのではなく、その価格になった理由を知ること。

数字を「答え」として見るのではなく、
判断するための材料として活用する視点をお伝えしています。

住まいの判断力を、一緒に育てていきましょう。🏡

「この家、相場より安い!」

「このエリアは価格が上がっています。」

「今売れば高く売れます。」

インターネットやSNSには、毎日たくさんの不動産情報が流れています。

便利な時代になりましたが、その一方で、情報が多すぎるからこそ、本当に必要なのは「情報を見極める力」です。

私は普段、不動産会社として多くのお客様と接していますが、「ネットに書いてあったから」という理由だけで判断してしまい、後悔しそうになっている方は、少なくありません。

だからこそ今回お伝えしたいのは、価格を見る前に知ってほしいこと。

それは、情報は『答え』ではなく、『判断するための材料』だということです。

「相場」は目安であって、答えではない

住まい探しをしていると、「このエリアの相場は○○万円です」という言葉をよく目にします。

もちろん相場を知ることはとても大切です。

しかし、相場とは、あくまで市場全体の傾向を示す一つの指標です。

目の前にある一つひとつの住宅の価値まで決めるものではありません。

例えば同じマンションでも、

  • 階数
  • 向き
  • 日当たり
  • 管理状態
  • リフォーム履歴
  • 眺望
  • 修繕積立金
  • 管理組合の運営状況

これだけでも価値は大きく変わります。

戸建ても同じです。

道路付けや土地形状、建物の状態、リフォーム履歴などによって、価格は大きく変わります。

つまり、

「相場より高い」「相場より安い」だけでは、本当の価値は分からないのです。

REINSデータから見えてくる市場

2026年6月のREINS(東日本不動産流通機構)のデータを見ると、興味深い傾向がありました。

例えば中古マンションでは、

  • 成約価格は2か月連続で下落
  • 在庫は4か月連続で増加

という結果になっています。

一方で東京都区部では、売り出し価格は依然として高い水準が続いています。

つまり、

市場では「売りたい価格」と「実際に売れる価格」に少しずつ差が生まれていることが読み取れます。

現場で感じる「売り出し価格」と「成約価格」の違い

私自身も現場で、売主様が「近所で○○万円で売れたそうだから」「査定サイトで高く出たから」という理由で、少し高めの価格設定を希望されるケースを多く見ています。

もちろん希望価格を設定することは悪いことではありません。

しかし、

最終的に市場が評価するのは、「実際に買いたい人がいくらなら購入するか」という価格です。

だからこそ、売り出し価格だけを見て「このエリアは高い」「まだ値上がりしている」と判断するのは少し危険だと感じています。

中古戸建て市場から見える変化

REINSデータでは、中古戸建ての成約件数は前年より増加していました。

一方で中古マンションは成約件数が減少しています。

この数字だけを見ると、「戸建て人気だ」と言いたくなるかもしれません。

しかし、それだけで結論を出すことはできません。

例えば、

  • 新築価格の高騰
  • 建築費の上昇
  • マンション価格の上昇
  • ファミリー層の住み替え

こうした複数の背景が重なっている可能性があります。

数字には必ず「理由」があります。数字だけを見るのではなく、

「なぜそうなっているのか」を考えることが、住まいの判断力につながります。

「高く売れる」という情報を、そのまま信じない

最近は、「今なら高く売れます」「過去最高値です」という広告をよく見かけます。

もちろん実際に価格が上がっている地域もあります。

しかし、それがあなたの家にも当てはまるとは限りません。

築年数

立地

管理状態

リフォーム状況

周辺環境

需要

これらによって価格は大きく変わります。

情報を見るときは、「本当に自分の家にも当てはまるのだろうか?」と、一度立ち止まって考えることが大切です。

情報を集めるだけでは判断力は身につかない

今は情報があふれる時代です。しかし、情報をたくさん知っている人が、必ずしも良い住まい選びができるわけではありません。

大切なのは、その情報をどう読み解くか。どう比較するか。どう自分の暮らしに当てはめるか。そこに本当の判断力があります。

東京ファンライフ不動産が大切にしていること

私は、不動産屋として「今が買い時です。」「今が売り時です。」という答えをお伝えしたいわけではありません。

お客様自身が、情報を整理し、数字を読み解き、家族にとって本当に納得できる選択ができるようになること。そのお手伝いをしたいと思っています。

住まいは人生で何度も買うものではありません。だからこそ、情報に振り回されるのではなく、自分で判断できる力を育ててほしい。それが、この講座を続ける理由です。

次回予告(Vol.3)

「価格が安い家」は本当にお得?不動産価格の裏側にある『見えないコスト』を読み解く

価格だけで判断すると見落としてしまう、

  • 修繕費
  • 管理費
  • 建物の状態
  • 周辺環境
  • 将来の資産価値

「安いから得」とは限らない理由を、現場の視点から分かりやすくお伝えします。

今西千登瀬の「住まいの判断力」講座 Vol.1東京23区でマイホームを買う前に考えたい。「買い時」より大切なのは、自分で判断する力

東京23区の住宅価格が高騰する今、「買い時」を気にする人は少なくありません。しかし、本当に大切なのはタイミングではなく、自分で判断できる力です。市場データの読み解き方や売り出し価格と成約価格の違いなど、不動産の現場で感じるリアルを交えながら、後悔しない住まい選びの考え方をお伝えします。

「今、家は買い時ですか?」

不動産の仕事をしていると、この質問を本当によくいただきます。

ニュースでは、

「マンション価格は過去最高」

「住宅ローン金利が上昇」

「今後は価格が下がるかもしれない」

SNSでは、

「今すぐ買うべき」

「いや、まだ待つべき」

毎日のようにさまざまな情報が流れています。

情報が多い時代だからこそ、多くの方が「誰かの答え」を探してしまいます。

でも私は、お客様から「今が買い時ですか?」と聞かれたとき、すぐに答えをお伝えすることはありません。

なぜなら、「買い時」は他人が決めるものではなく、自分自身で考えるものだと思っているからです。

「市場の買い時」と「あなたの買い時」は同じではありません

住宅市場には相場があります。

価格が上がることもあれば、下がることもあります。

金利も変動します。

もちろん、それらを知ることはとても大切です。

しかし、市場の状況だけでは、その人にとって「買うべきタイミング」は決まりません。

例えば、

  • お子さんの入学を控えているご家庭
  • 共働きで通勤時間を短くしたいご夫婦
  • 在宅勤務が増え、住環境を見直したい方
  • ご両親の近くへの住み替えを考えている方

同じ住宅市場を見ていても、それぞれの「買い時」は違います。

だから私は、「世の中の買い時」ではなく、「あなたにとっての買い時」を一緒に考えたいと思っています。

データは「答え」ではなく、「判断するための材料」

私は市場データを見ることが好きです。

例えば、REINS(東日本不動産流通機構)が毎月公表している首都圏の中古住宅市場データも必ず確認しています。

2026年6月のデータでは、首都圏の中古マンション市場は、成約価格や成約㎡単価が前年を下回る一方で、在庫件数は増加しており、市場に少し変化の兆しが見え始めています。

こうしたデータを見ると、

「少し買主が比較・検討しやすい環境になってきたのかもしれない」

という仮説を立てることはできます。

しかし、データは答えではありません

データは、自分で判断するための材料です。

数字だけを見て「買う」「買わない」を決めるのではなく、その背景を考えることが大切です。

現場で感じる「売り出し価格」と「成約価格」の違い

最近、私が現場で感じているのは、売主様が希望する売り出し価格と、実際に成約する価格との間に差があるケースです。

市場価格が上昇したことで、「できるだけ高く売りたい」というお気持ちは自然なことです。

一方で、購入を検討される方は以前より慎重になっています。

私は購入をご検討される方に、価格だけを見るのではなく、

  • この物件はいつから販売されているのか
  • 価格改定は行われているのか
  • 売却理由は何か

といった背景も確認することをおすすめしています。

こうした情報を知ることで、冷静な判断や交渉につながることがあるからです。

「高く売れる」という情報を、そのまま信じない

最近では、「今なら高く売れる」「無料査定」といった広告を目にする機会も増えました。

もちろん、市場価格が上昇しているエリアがあることは事実です。

ただし、査定価格は「参考となる価格」であり、実際の成約価格とは異なる場合があります。

大切なのは、広告の言葉だけを信じることではありません。

市場の状況や近隣の成約事例、物件の状態など、さまざまな情報を総合的に見て判断することです。

情報が多い時代だからこそ、「情報を集める力」だけでなく、「情報を読み解く力」が求められていると感じます。

まとめ|「買い時」は、誰かにもらう答えではない

住宅市場には相場があります。

価格も金利も、住まい選びに欠かせない情報です。

しかし、人生には一人ひとり違うタイミングがあります。

子どもの成長。

働き方の変化。

家族との時間。

これから送りたい暮らし。

それらを踏まえて、「今がわが家の買い時だ」と納得できたときが、本当の買い時ではないでしょうか。

私はこれからも、「家を売るための情報」ではなく、「自分で判断できる力を身につけるための情報」を発信していきたいと思います。

次回予告

Vol.2

ネットの不動産情報を鵜呑みにしない|『価格』を見る前に知っておきたいこと

SUUMOやHOME’S、アットホームなどの不動産サイトには、多くの物件情報が掲載されています。

しかし、その価格は「売り出し価格」であり、必ずしも「実際に売れた価格」とは限りません。

また、掲載期間や価格変更の有無など、少し視点を変えるだけで見えてくる情報もあります。

次回は、誰でも見ることができる不動産情報サイトを例に、「数字に振り回されず、自分で判断するための見方」をお伝えします。

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