
「この家、相場より安い!」
「このエリアは価格が上がっています。」
「今売れば高く売れます。」
インターネットやSNSには、毎日たくさんの不動産情報が流れています。
便利な時代になりましたが、その一方で、情報が多すぎるからこそ、本当に必要なのは「情報を見極める力」です。
私は普段、不動産会社として多くのお客様と接していますが、「ネットに書いてあったから」という理由だけで判断してしまい、後悔しそうになっている方は、少なくありません。
だからこそ今回お伝えしたいのは、価格を見る前に知ってほしいこと。
それは、情報は『答え』ではなく、『判断するための材料』だということです。
「相場」は目安であって、答えではない

住まい探しをしていると、「このエリアの相場は○○万円です」という言葉をよく目にします。
もちろん相場を知ることはとても大切です。
しかし、相場とは、あくまで市場全体の傾向を示す一つの指標です。
目の前にある一つひとつの住宅の価値まで決めるものではありません。
例えば同じマンションでも、
- 階数
- 向き
- 日当たり
- 管理状態
- リフォーム履歴
- 眺望
- 修繕積立金
- 管理組合の運営状況
これだけでも価値は大きく変わります。
戸建ても同じです。
道路付けや土地形状、建物の状態、リフォーム履歴などによって、価格は大きく変わります。
つまり、
「相場より高い」「相場より安い」だけでは、本当の価値は分からないのです。
REINSデータから見えてくる市場

2026年6月のREINS(東日本不動産流通機構)のデータを見ると、興味深い傾向がありました。
例えば中古マンションでは、
- 成約価格は2か月連続で下落
- 在庫は4か月連続で増加
という結果になっています。
一方で東京都区部では、売り出し価格は依然として高い水準が続いています。
つまり、
市場では「売りたい価格」と「実際に売れる価格」に少しずつ差が生まれていることが読み取れます。
現場で感じる「売り出し価格」と「成約価格」の違い

私自身も現場で、売主様が「近所で○○万円で売れたそうだから」「査定サイトで高く出たから」という理由で、少し高めの価格設定を希望されるケースを多く見ています。
もちろん希望価格を設定することは悪いことではありません。
しかし、
最終的に市場が評価するのは、「実際に買いたい人がいくらなら購入するか」という価格です。
だからこそ、売り出し価格だけを見て「このエリアは高い」「まだ値上がりしている」と判断するのは少し危険だと感じています。
中古戸建て市場から見える変化

REINSデータでは、中古戸建ての成約件数は前年より増加していました。
一方で中古マンションは成約件数が減少しています。
この数字だけを見ると、「戸建て人気だ」と言いたくなるかもしれません。
しかし、それだけで結論を出すことはできません。
例えば、
- 新築価格の高騰
- 建築費の上昇
- マンション価格の上昇
- ファミリー層の住み替え
こうした複数の背景が重なっている可能性があります。
数字には必ず「理由」があります。数字だけを見るのではなく、
「なぜそうなっているのか」を考えることが、住まいの判断力につながります。
「高く売れる」という情報を、そのまま信じない
最近は、「今なら高く売れます」「過去最高値です」という広告をよく見かけます。
もちろん実際に価格が上がっている地域もあります。
しかし、それがあなたの家にも当てはまるとは限りません。
築年数
立地
管理状態
リフォーム状況
周辺環境
需要
これらによって価格は大きく変わります。
情報を見るときは、「本当に自分の家にも当てはまるのだろうか?」と、一度立ち止まって考えることが大切です。
情報を集めるだけでは判断力は身につかない
今は情報があふれる時代です。しかし、情報をたくさん知っている人が、必ずしも良い住まい選びができるわけではありません。
大切なのは、その情報をどう読み解くか。どう比較するか。どう自分の暮らしに当てはめるか。そこに本当の判断力があります。
東京ファンライフ不動産が大切にしていること
私は、不動産屋として「今が買い時です。」「今が売り時です。」という答えをお伝えしたいわけではありません。
お客様自身が、情報を整理し、数字を読み解き、家族にとって本当に納得できる選択ができるようになること。そのお手伝いをしたいと思っています。
住まいは人生で何度も買うものではありません。だからこそ、情報に振り回されるのではなく、自分で判断できる力を育ててほしい。それが、この講座を続ける理由です。
次回予告(Vol.3)
「価格が安い家」は本当にお得?不動産価格の裏側にある『見えないコスト』を読み解く
価格だけで判断すると見落としてしまう、
- 修繕費
- 管理費
- 建物の状態
- 周辺環境
- 将来の資産価値
「安いから得」とは限らない理由を、現場の視点から分かりやすくお伝えします。



