【賃貸トラブル最前線】借主の“カスハラ”が増加中!善管注意義務違反と、過剰な借主保護が生む日本の賃貸リスクとは?

“普通の要望”が“カスハラ”に変わる瞬間とは?善管注意義務を無視した実例と、借家法の過剰保護でこじれる賃貸トラブルの現実。一歩先の防衛知識を解説。

近年、賃貸管理の現場で急増しているのが 「借主によるカスタマーハラスメント(カスハラ)」 です。
「お客様は神様だ」という誤った認識を盾に、過度な要求・理不尽なクレーム・虚偽申告を行う借主は、管理会社とオーナーの大きな負担になっています。

しかもこの問題、背景には 善管注意義務への理解不足 と、
借主保護が非常に強い日本の借家法(借地借家法) の存在があります。

「借主カスハラ」「賃貸不当要求」「善管注意義務違反」に悩む管理会社・オーナーが、今まさに直面する“構造的な課題”を、わかりやすく解説します。

増え続ける「借主カスハラ」

善管注意義務を無視した不当要求の実態〜**

賃借人には民法400条に基づき、
「善良な管理者として注意して使用する義務(善管注意義務)」
があります。

つまり、本来は
自分の持ち物以上に丁寧に使うことが前提。

しかし現場では、以下のような 明らかな善管注意義務違反 が、借主の“当然の権利”のように主張されることが増えています。

■実際に多い「借主カスハラ」事例

  • 異物を流してトイレ詰まり→無料修理を強要
  • 結露・カビを放置→建物の欠陥と決めつける
  • 排水口の清掃不足で詰まり→高圧洗浄を無料で要求
  • 経年劣化ではない破損→新品交換を求める
  • 過失があっても「管理会社の責任」と虚偽の主張

管理会社は説明しても感情的に責められ、
「波風を立てるくらいなら無料で処理しよう…」と負担を抱え込んでしまう構図ができています。

借主カスハラを生み出す“制度的原因”

〜借家法の借主保護が過剰になっていないか?〜**

借主保護は大切ですが、現在の制度は 戦後の住宅不足の時代に作られたもの がベースです。
2020年代の賃貸市場には合わない部分も多く、以下のような“借主優位の歪み”を生んでいます。

(1)契約更新は借主が圧倒的に強い「正当事由制度」

貸主が更新拒絶・解約をするには、
非常に強い理由+立退料 が必要。

→ 借主は「追い出されない」という安心感が過度に強くなる。
→ 結果、態度がエスカレートしやすい。


(2)修繕義務の誤解が不当要求を助長

民法606条の「貸主は必要な修繕義務を負う」という条文が曲解され、

「修理は全部オーナーの義務でしょ?」

という認識が広がりがち。

しかし実際は、
借主の過失・善管注意義務違反は借主負担 が原則。

この違いが理解されていないことが、
不当要求の大きな原因になっています。

(3)原状回復ガイドラインの“誤用”

国交省ガイドラインは法令ではなく“参考基準”なのに、
「クロスの張替えは全て貸主負担」と誤解する借主が多い。

SNSの誤情報も拍車をかけています。

(4)管理会社側の権利が制度的に弱い

借主からのクレームが過剰であっても、
借主保護規定が強く、
“強く出られない”ためカスハラが助長される。


歪んだバランスのままでは、賃貸市場が持続できない

築古物件の増加、修繕費の高騰、管理人材の不足…。
賃貸経営は年々難しくなっています。

そこに 借主カスハラの増加 が重なれば、
小規模オーナーや管理会社は疲弊し、
賃貸市場全体の健全性が損なわれかねません。

これから必要なのは

“借主保護だけでなく、貸主・管理会社の保護” も両立させること**

■今後見直しを検討すべき点

  • 善管注意義務違反の明確化とペナルティ
  • 悪質クレーム(カスハラ)への法的対処の整備
  • 過失・故意の原状回復基準をより明文化
  • 管理会社スタッフを守る仕組みの構築
  • 正当事由制度の現代化
  • 契約書の標準化(修繕・費用負担の明確化

借主の安心を守りながら、貸主・管理会社も守られる制度設計こそ、
持続可能な賃貸市場には欠かせません。

まとめ

借主は“神様”ではない。
賃貸契約は「対等な契約関係」です。**

賃貸トラブルの多くは、
借主が“守られて当然”と感じる構造的な背景から生まれます。

しかし、賃貸借契約は
借主・貸主が互いに義務を果たして成り立つ“対等な契約” です。

健全な賃貸市場を守るには、
過度な借主保護と不当要求(カスハラ)が引き起こす課題を直視し、
制度も運用も“現代に合わせてバランスを取り戻す”必要があります。

筆者プロフィール

今西千登瀬(いまにし ちとせ)
インテリアコーディネーター・子育て住空間コンサルタント。
40代女性の「心とからだ、暮らしにやさしいライフスタイル」をテーマに、住宅・不動産・ライフスタイル領域でコラムを執筆中。

🏢 定期借地権付きマンションは得か損か?首都圏の事例と価格相場で徹底解説

都心の好立地に住みたいけど、価格が高くて手が届かない…そんなあなたに注目したいのが「定期借地権付きマンション」!土地は借りる形式だけど、建物は自分の所有物なので、都心の便利な場所に割安で住めるチャンスです✨契約期間は50〜70年と長め。期間満了後は建物を解体して土地を返す必要があるけれど、その分、税負担も軽く、相続のややこしい問題も避けられます。

都心の好立地に住みたいけれど、所有権付きマンションは価格が高くて手が届かない…。そんなときに注目されるのが「定期借地権付きマンション」です。土地は借りる形式ですが、建物は自分の所有物です。
今回は、メリット・デメリットだけでなく、前払い地代と月々地代の違い・注意ポイントも解説します。


定期借地権付きマンションとは?

  • 土地は借りる(定期借地権):契約期間は50〜70年が一般的
  • 建物は自分の所有物:マンション部分を所有
  • 契約期間満了後は建物を解体し土地を返還:長期的な資産形成には注意が必要

メリット

  1. 購入価格が割安場合もあります。
  2. 税負担が軽い
    土地分の固定資産税・都市計画税は不要。建物分のみ。
  3. 都心・駅近に住める
    地主が手放さない好立地の場所に住めます。
  4. 期間が決まっているので相続など面倒な問題も回避

デメリット

  1. 期間終了で更地返還
    契約満了時には建物を解体して土地を返す必要があります。
  2. 売却の制約
    残存期間が短いと買い手がつきにくく、売却には地主承諾が必要な場合があります。契約条件をしっかり確認することが大切です。
  3. ローン審査がやや厳しい
    土地を所有していないため、融資審査に制限が出ることがあります。
  4. 子どもに資産として残したい場合は不向き

損得を分けるポイント

1. 明確な出口戦略が必要

契約満了時に建物を手放すことが前提です。

  • 30〜50年後の住み替えを見据える
  • 子どもが独立したら住み替えるなど、残存期間が長い内に売却を考えることも重要なポイント
  • 売却・賃貸・住み替えのシナリオを事前に考える

2. 地代の支払い方法を理解する

前払い地代

  • 契約時に一括で支払う地代
  • 初期費用は高額ですが、月々の支払いが不要になる場合があります
  • 注意点:資金負担が大きいため、生活費やローンとのバランスを確認する必要があります

月々地代

  • 毎月の支払いとして地代を支払う
  • 月々の生活費に上乗せされるため、無理のない金額かを確認することが重要
  • 将来の契約更新や地代改定の可能性もあるため、契約条件を確認することが必要です

東京の定期借地権付きマンション事例

物件名所在地面積(㎡)築年数残存期間(年)価格(万円)地代(月額)解体準備金(月額)備考
パークコート青山高樹町 ザ タワー港区南青山625502億7,100(前払い地代含む)なし20,000高級タワーレジデンス、角住戸中心
パークコート渋谷 ザ タワー渋谷区宇田川町403508,350万円15,00010,000駅徒歩7分、商業施設併設
パークコート神楽坂新宿区赤城元町574508,380万円12,0008,000隈研吾氏監修、神社との一体開発

※価格や地代、解体準備金は参考値であり、実際の物件によって異なります。


まとめ

定期借地権付きマンションは、都心の好立地に割安で住めるメリットがあります。しかし、

  • 契約満了時の出口戦略を明確にする
  • 前払い地代・月々地代・解体準備金などのランニングコストを確認する

ことが重要です。
ライフプランに合った支払い方法を選ぶことで、定期借地権付きマンションのメリットを最大限に活かすことができます。


💡ポイント:「地代の支払い方法」と「契約満了後の出口戦略」をセットで考えることが、損得を分ける鍵です。

借地権付き住宅のトラブル事例と対処法

借地権付き住宅はコストを抑える一方で、地主との関係が重要であり、トラブルが発生する可能性があります。契約更新の拒否、建て替えの拒否、地代の急増、売却困難などの事例に対する法的対処法を理解し、専門家に相談することがなにより重要です。

〜借地借家法を正しく知って、不安なく借地に暮らすために〜


◆ 借地権付き住宅、実はこんなトラブルが起こることも…

土地を借りて家を建てる「借地権付き住宅」。購入費用を抑えられる魅力がある一方で、土地の所有者(地主)との関係性が大きなカギとなるため、トラブルが起こるケースも少なくありません。

以下では、実際に起こりやすいトラブルの事例と、それに対する法的な対応策をご紹介します。


【トラブル事例①】借地契約の更新を拒否された

● 事例:

建物が老朽化し、建て替えを検討していたところ、地主から「契約更新はしない」と通告される。借地期間は旧法の借地契約(30年)で、更新時期が近づいていた。

● 対処法:

旧借地法(平成4年以前)に基づく借地契約は、借主が非常に強く保護されています。
地主が更新拒否をするには、「正当事由」が必要です。

【旧借地法第6条】
借地権の更新を拒絶しようとする場合には、正当の事由がなければならない。

この「正当事由」には、地主が自らの居住用に土地を必要とする場合など、相当な理由が必要であり、単に「更新したくない」という理由では拒否できません。

💡【対処ポイント】
→ 弁護士に相談し、借主の「継続使用の意志」と「更新の必要性」を主張。場合によっては裁判で保護されることも。


【トラブル事例②】建て替え・増築を地主に拒否された

● 事例:

借地上に建てた住宅が古くなり、建て替えをしたいと申し出たところ、「建て替えは認めない」と言われてしまった。

● 対処法:

建て替えは原則として地主の承諾が必要です。ただし、借地権契約に「建て替え承諾条項」がある場合や、裁判所に**「建替え承諾に代わる許可(借地借家法第17条)」**を申し立てることも可能です。

【借地借家法第17条第1項】
借地権者が建物の建替えのために土地の使用を継続する必要がある場合で、正当の理由があるときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、地主の承諾に代わる許可を与えることができる。

💡【対処ポイント】
→ 地主と交渉が難航した場合、建替え理由・建築計画などを整理して裁判所に申立てを。


【トラブル事例③】地代の増額を突然請求された

● 事例:

これまで月2万円で支払っていた地代を、地主が突然「相場に合わせて3万円にする」と通知。納得できないが、契約書には「将来協議の上改定あり」と書かれていた。

● 対処法:

地代は周辺相場・物価などに応じて変更が可能ですが、地主の一方的な値上げ要求には正当性が求められます。

【借地借家法第11条】
地代の額が、土地の価格の上昇又は低下その他の経済事情の変動により不相当となったときは、当事者は将来に向かって地代の額の変更を請求することができる。

💡【対処ポイント】
→ 「不相当」とされる根拠(地価・近隣相場・契約履歴など)を確認。
→ 交渉が折り合わなければ、調停や裁判による判断を仰ぐことも可能。


【トラブル事例④】借地権付き住宅が売却できない

● 事例:

高齢の親から相続した借地権付き住宅を売却しようとしたところ、「地主の承諾が必要」「名義変更料がかかる」「そもそも買い手が見つからない」など障壁が多く、なかなか売れない。

● 対処法:

借地権付き建物の売却には、地主の承諾と譲渡承諾料の支払いが必要なケースが多いです。これは借地権が地主の土地に強く結びついているためです。

【借地借家法第19条】
借地権の譲渡について、地主が正当な理由なく承諾を拒否することはできない。

💡【対処ポイント】
→ 売却前に地主との関係性を良好に保っておくことが重要
→ 不動産会社選びも「借地権売却に強い」会社を選ぶのが成功のカギ。


【トラブル事例⑤】借地権付き住宅を親から相続したが、地主と揉めてしまった

● 事例:

父が長年住んでいた借地権付き住宅を相続したが、地主から「借地人が変わるなら契約を終了させる」と言われた。さらに、建物の名義変更や借地権の承諾料について高額な費用を請求され困惑している。

● よくある悩み:

  • 名義変更って必ず必要なの?
  • 地主に更新料や承諾料を支払う必要は?
  • そもそも相続した建物はどう活用すべき?

● 法的ポイントと対処法:

【借地権の相続は「当然承継」】

借地権は、相続によって当然に引き継がれる権利です。地主の承諾がなくても、法的には借地契約が終了することはありません。

【借地借家法 第19条】
借地権の譲渡または建物の賃貸について、地主が正当な理由なく承諾を拒むことはできない。

※相続は譲渡ではなく「承継」に該当するため、承諾は不要とされるのが通例。

💡地主が「相続人が借主になるなら契約解除」などと主張するのは法的に認められないケースが大半です。


● 注意点:

ただし、相続後に以下のような手続きは必要・推奨されます。

内容必要性備考
建物の相続登記(名義変更)必須2024年4月以降、相続登記は義務化されています。
地主への通知任意だが推奨トラブル回避のためにも「誰が相続したか」は伝えておくと安心。
借地権更新料・承諾料の支払いケースバイケース相続時に更新料などの支払いを求められたら、契約内容と過去の慣例を確認。高額請求には注意。

● 相続後の選択肢:

  1. そのまま住み続ける(地代を払い続ける)
  2. 第三者に売却する(地主の譲渡承諾が必要)
  3. 更地にして返還・返還交渉をする(定期借地権の場合など)

● 売却時の注意点:

借地権付き住宅を売るには、地主の**「譲渡承諾」**が必要であり、**譲渡承諾料(目安:土地価格の5〜10%)**を請求されることもあります。

【借地借家法 第19条(再掲)】
地主は、譲渡について正当な理由がなければ拒否できない。

💡地主との関係が悪化している場合は、不動産業者や弁護士を介して交渉するのが得策です。


◆ まとめ:相続した借地権住宅、「知らないと損する」ことも

借地権付き住宅の相続は、法律上はスムーズでも、実務的には地主との関係性・契約内容に左右される部分が大きいです。

✔ 名義変更や登記義務を怠らない
✔ 地主への説明や交渉は冷静に対応
✔ トラブル時は専門家の助けを借りる

を徹底することで、大きなトラブルを防ぐことができます。


◆ 借地権トラブルを防ぐためのチェックリスト

✅ 借地契約書の内容を確認(契約期間/更新条項/譲渡条件)
✅ 借地の種類は?(旧法・一般借地・定期借地)
✅ 地主との信頼関係を維持する努力
✅ 専門家に早めに相談(司法書士・弁護士・不動産会社)


【参考法令まとめ】

  • 借地借家法 第6条(契約更新の正当事由)
  • 借地借家法 第11条(地代の増減請求)
  • 借地借家法 第17条(建て替え承諾に代わる許可)
  • 借地借家法 第19条(譲渡・転貸・相続に関する規定)
  • 不動産登記法 第76条(相続登記の義務)

◆ まとめ:借地権は「正しく理解」すれば怖くない

借地権には所有権住宅にないコストや手間もありますが、法的保護はしっかり整備されています
特に旧法借地権や長期の一般借地権では、地主の都合で一方的に立ち退きを迫られるようなことはありません。

トラブルが起こった場合も、借地借家法などの法的根拠をもとに冷静に対処することが重要です。


◆ トラブル回避のためにできること

  • 契約前に内容を必ず書面で確認
  • 地主との関係性は「信頼第一」コミュニケーションをこまめにとっておくことが大切。
  • 不明点は司法書士や弁護士、不動産の専門家に早めに相談

借地権住宅はお得?購入前の注意点

〜借地権付き住宅の購入はお得?旧法・現行法・定期借地権まで徹底解説〜


◆ そもそも「借地権」とは?

借地権とは、土地の所有者(地主)から土地を借りて、その上に建物を建てて住む権利のことです。土地を買わずに「借りる」ことで、建物を安く建てたり購入したりできるのが特徴です。


◆ 借地権付き住宅のメリット・デメリット

● メリット

  • 土地代がかからないため、購入価格が安い
  • 人気エリアに住みやすい(借地権物件が多い)
  • 固定資産税が安い(建物分だけ)

● デメリット

  • 土地の所有権はない
  • 借地料を毎月支払う必要がある
  • 売却しづらい・住宅ローンが通りにくい場合がある

◆ 借地権の種類と違い

借地権には、法律の変遷により「旧法借地権」と「新法借地権(一般借地権・定期借地権)」があります。
1992年(平成4年)に施行された「借地借家法」によって、大きくルールが変わりました。


① 【旧法借地権(旧・借地法)】

👉 1992年以前に契約された借地権

  • 最初の契約期間:原則30年、更新ごとに20年
  • 更新が法的に強く保護されている(実質的に半永久)
  • 地主が「正当な理由」がなければ契約更新を拒否できない
  • 借地人が希望すれば、建物の建て替えも基本的に可能
  • 相続・売却もしやすい(譲渡承諾は必要)

💡 **例えるなら…「住み続ける権利が強く保証された契約」**です。
長年の信頼関係で成り立っているケースが多く、都心の老舗住宅街や商店などで多く見られます。

👉 長期にわたり住み続けやすく、建て替えも相談次第で可能。


② 【新法借地権(借地借家法)】

👉 1992年以降に新たに契約された借地権

● 一般借地権(更新あり)

  • 初回契約:30年以上、更新後は20年以上
  • 基本的には更新可能。ただし、法律上の保護は旧法よりもやや弱い
  • 建て替え・譲渡には地主の承諾が必要なことが多い
  • 一部では「更新拒否や条件変更」の交渉余地あり

👉 安定性があり、従来の借地権に近い内容。

● 定期借地権(更新なし)

  • 一定期間(多くは50年)で契約終了・更新なし
  • 満了後は更地で返還する義務
  • 建物の買取請求ができない
  • 建て替え・増改築・相続利用には向かない

💡 **例えるなら…「期限付きの使用権。使い切って終わる契約」**です。
人生設計に合わせてフレキシブルに使いたい方には向いています。

👉 子育て期間中だけ住みたいなど、一定期間での住み替えを前提としたライフプランには向いている。


🔍【旧法と新法の主な違いまとめ】

比較項目旧法借地権新法(一般借地権)新法(定期借地権)
契約の更新自動更新(拒否に正当理由が必要)原則更新あり(交渉が必要)更新なし(終了時に明け渡し)
契約期間初回30年/更新20年ずつ初回30年以上/更新20年以上30年以上(住宅用は50年が主流)
建て替え相談で可能基本的に承諾が必要不可(建物は使い切り)
契約終了後引き続き利用できる同上更地で返還が義務
借主の保護非常に強いある程度強い比較的弱い(契約重視)

◆ 借地権付き住宅、どのタイプを選ぶべき?

建て替えや売却も視野に入れている方 → 旧法借地権のほうが自由度が高い

安心して長く住みたい方 → 旧法借地権・一般借地権

割安に一時的に住みたい方 → 定期借地権


◆ 借地権付き住宅は「お得」なのか?

◎ こんな人には向いています!

  • 資金面で土地購入は厳しいけど、持ち家が欲しい
  • 駅近など立地重視で選びたい
  • 住み替え前提で住まいを検討している(定期借地権)

✕ 注意が必要な人

  • 土地の資産価値も含めて購入したい人
  • 子や孫に相続したいと考えている人
  • 自由にリフォーム・建て替えしたい人

◆ 借地権付き住宅のチェックポイント

  1. 借地権の種類を確認
     → 旧法?現行法?定期?
  2. 地代(借地料)・更新料・名義変更料などのコストを確認
  3. 地主の意向や契約条件(建て替え・増改築の可否など)を確認
  4. 金融機関の住宅ローン審査が通るか確認
     → 借地権物件に融資しにくい銀行もあるため注意

◆ 借地権を選ぶときの賢い考え方

  • 購入価格+月々の借地料=トータルコストで比較
  • **借地期間中のライフプランと一致しているか?**を重視
  • 将来的な住み替え・売却のしやすさも検討

◆ まとめ:借地権は“選択肢のひとつ”として活用を

借地権付き住宅は「お得そうだけど不安」という声が多いですが、自分のライフスタイルや資金計画によってはとても合理的な選択肢となります。

特に都心や人気エリアでは、土地付きよりも数千万円安く持ち家を持てるチャンスも。
しっかり内容を理解していれば、借地権付き住宅も安心して選べます。


◆ 不安なときは専門家に相談を

借地権物件は契約内容が複雑なこともあります。
不動産会社や司法書士など、借地権に詳しいプロに確認することをおすすめします。

🏠 借主が知っておきたい!家賃値上げ・退去要求・立ち退き料の正しい知識

「家賃を上げたい」「応じないなら出ていって」——そんな貸主からの通告、本当に正しいのでしょうか?
借地借家法では、家賃の値上げには借主の合意が必要です。合意しない限り、従前の家賃を払い続けていれば契約は有効に継続されます。また、強制退去は違法であり、裁判所の命令なしに退去させることはできません。正当事由がある退去でも、借主は立ち退き料を請求する権利があります。
知っているだけで住まいを守れる「正しい知識」、あなたは持っていますか?

~知らなきゃ損する「借地借家法」の基本~

1|家賃の一方的な値上げはNG。借主の同意が必須です!

「来月から家賃を1万円上げます」——
こんな通知が来ても、貸主だけの都合では家賃を変更できません

📘 法的根拠:借地借家法 第32条

家賃の変更には、以下のような合理的理由借主の合意が必要です。入居時の契約書にも条文があると思うので確認してみて下さい。

  • 固定資産税などの負担が増えた
  • 建物の維持費が著しく増加した
  • 周辺相場に比べて賃料が不相当に低い
  • 経済状況が大きく変化した

💬 合意しない場合はどうなる?

従前の家賃をそのまま支払い続けてOKです。

借主が新しい家賃額に合意していなければ、これまで通りの賃料を支払い続けていても契約は継続されます
その間、貸主は調停や訴訟などの法的手続きを経て「値上げの妥当性」を証明しない限り、強制的に値上げできません。

2|「合意しなければ出ていけ」は違法行為です!

貸主が借主の同意もなく家賃を上げ、「応じないなら出ていけ」と迫るのは法律違反です。

❌ 違法な強制退去の例

  • 勝手に鍵を交換 → 建造物侵入罪の恐れ
  • 家財道具を勝手に処分 → 窃盗罪や器物損壊罪
  • 張り紙や口頭で「出て行け」と通告 → 脅迫・威力業務妨害の可能性も

いかなる事情があっても、裁判所の「明け渡し命令」がなければ退去を強制できません

3|立ち退き料とは?

~退去に応じる代わりに請求できる補償金~

オーナーが「契約更新をしない」「立ち退いてほしい」と求める場合でも、借主を退去させるには正当事由が必要です。

📘 正当事由とは?

  • 建物の老朽化や建て替えの必要性
  • 貸主自身や親族の居住の必要性
  • 家賃の未払いなどの契約違反行為

しかし、多くの場合、この「正当事由」だけでは不十分とされます。
そこで、貸主は「立ち退き料(立退料)」を支払うことで、正当性を補完します。

💰 立ち退き料とは?

借主が「退去に応じる代わりに受け取る補償金」。
以下の費用が含まれます:

  • 引っ越し費用
  • 新居の敷金・礼金・仲介手数料
  • 引越に伴う家具・設備の入れ替え費用
  • 転園・転校による影響補填(家族帯同の場合)
  • 慣れ親しんだ生活圏を離れる精神的損害への補償

金額の相場はまちまちですが、月額家賃の6か月〜12か月分程度が交渉の目安とされています。

5|まとめ:借主の権利は法律で守られています!

📝 家賃変更には「合理的理由」と「借主の合意」が必要です

家賃を変更する際には、貸主側に経済的・社会的な合理的理由があることに加え、借主の合意が必要不可欠です。これは、借地借家法第32条に基づく原則であり、たとえ入居時の契約書に「家賃改定条項」が記載されていたとしても、自動的に値上げが成立するわけではありません

契約書にはよく「経済事情の変動や税負担増加等により、家賃の見直しを行うことがある」といった条文が盛り込まれていますが、これはあくまで値上げ交渉の可能性があることを示すにすぎず、合意がなければ効力を持ちません。

そのため、通知だけで値上げを受け入れたことにはならず、借主が納得しない限りは従前の家賃を支払い続けていれば契約は継続されます。

内容借主の権利と対応
家賃値上げの提案合意しなければ従前の家賃を払い続ければOK
値上げに応じないと退去と言われた応じる義務なし。強制退去は違法
一方的な退去通告正当事由がなければ無効。退去不要
立ち退き料の請求正当事由+補償として請求可能
法定更新時の値上げ合意がなければ旧家賃で契約継続

🛡 4|借主がとるべき対応ステップ

  1. 通知書・会話記録は保存(LINE・録音・張り紙など)
  2. 書面で値上げ理由や退去要請の根拠を確認
  3. 納得できない場合は合意せず、従前の賃料を支払い続ける
  4. 内容証明郵便で異議申立てを行う
  5. 法テラス・住宅相談窓口・弁護士に相談
  6. 退去する場合は立ち退き料をしっかり交渉する

✅ 最後に:迷ったらすぐ相談を!


  • 家賃は「貸主が決めるもの」ではなく、「双方が合意するもの」です。
  • 合意がなければ、これまで通りの家賃を払い続けていれば契約は有効です。
  • 不当な退去要求には応じず、必要なら法的手段で自身の権利を守りましょう。

不安なときは、一人で悩まず必ず専門家に相談を。
あなたの住まいを守る力は、「知識」と「冷静な対応」にあります。

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