借地権住宅はお得?購入前の注意点

〜借地権付き住宅の購入はお得?旧法・現行法・定期借地権まで徹底解説〜


◆ そもそも「借地権」とは?

借地権とは、土地の所有者(地主)から土地を借りて、その上に建物を建てて住む権利のことです。土地を買わずに「借りる」ことで、建物を安く建てたり購入したりできるのが特徴です。


◆ 借地権付き住宅のメリット・デメリット

● メリット

  • 土地代がかからないため、購入価格が安い
  • 人気エリアに住みやすい(借地権物件が多い)
  • 固定資産税が安い(建物分だけ)

● デメリット

  • 土地の所有権はない
  • 借地料を毎月支払う必要がある
  • 売却しづらい・住宅ローンが通りにくい場合がある

◆ 借地権の種類と違い

借地権には、法律の変遷により「旧法借地権」と「新法借地権(一般借地権・定期借地権)」があります。
1992年(平成4年)に施行された「借地借家法」によって、大きくルールが変わりました。


① 【旧法借地権(旧・借地法)】

👉 1992年以前に契約された借地権

  • 最初の契約期間:原則30年、更新ごとに20年
  • 更新が法的に強く保護されている(実質的に半永久)
  • 地主が「正当な理由」がなければ契約更新を拒否できない
  • 借地人が希望すれば、建物の建て替えも基本的に可能
  • 相続・売却もしやすい(譲渡承諾は必要)

💡 **例えるなら…「住み続ける権利が強く保証された契約」**です。
長年の信頼関係で成り立っているケースが多く、都心の老舗住宅街や商店などで多く見られます。

👉 長期にわたり住み続けやすく、建て替えも相談次第で可能。


② 【新法借地権(借地借家法)】

👉 1992年以降に新たに契約された借地権

● 一般借地権(更新あり)

  • 初回契約:30年以上、更新後は20年以上
  • 基本的には更新可能。ただし、法律上の保護は旧法よりもやや弱い
  • 建て替え・譲渡には地主の承諾が必要なことが多い
  • 一部では「更新拒否や条件変更」の交渉余地あり

👉 安定性があり、従来の借地権に近い内容。

● 定期借地権(更新なし)

  • 一定期間(多くは50年)で契約終了・更新なし
  • 満了後は更地で返還する義務
  • 建物の買取請求ができない
  • 建て替え・増改築・相続利用には向かない

💡 **例えるなら…「期限付きの使用権。使い切って終わる契約」**です。
人生設計に合わせてフレキシブルに使いたい方には向いています。

👉 子育て期間中だけ住みたいなど、一定期間での住み替えを前提としたライフプランには向いている。


🔍【旧法と新法の主な違いまとめ】

比較項目旧法借地権新法(一般借地権)新法(定期借地権)
契約の更新自動更新(拒否に正当理由が必要)原則更新あり(交渉が必要)更新なし(終了時に明け渡し)
契約期間初回30年/更新20年ずつ初回30年以上/更新20年以上30年以上(住宅用は50年が主流)
建て替え相談で可能基本的に承諾が必要不可(建物は使い切り)
契約終了後引き続き利用できる同上更地で返還が義務
借主の保護非常に強いある程度強い比較的弱い(契約重視)

◆ 借地権付き住宅、どのタイプを選ぶべき?

建て替えや売却も視野に入れている方 → 旧法借地権のほうが自由度が高い

安心して長く住みたい方 → 旧法借地権・一般借地権

割安に一時的に住みたい方 → 定期借地権


◆ 借地権付き住宅は「お得」なのか?

◎ こんな人には向いています!

  • 資金面で土地購入は厳しいけど、持ち家が欲しい
  • 駅近など立地重視で選びたい
  • 住み替え前提で住まいを検討している(定期借地権)

✕ 注意が必要な人

  • 土地の資産価値も含めて購入したい人
  • 子や孫に相続したいと考えている人
  • 自由にリフォーム・建て替えしたい人

◆ 借地権付き住宅のチェックポイント

  1. 借地権の種類を確認
     → 旧法?現行法?定期?
  2. 地代(借地料)・更新料・名義変更料などのコストを確認
  3. 地主の意向や契約条件(建て替え・増改築の可否など)を確認
  4. 金融機関の住宅ローン審査が通るか確認
     → 借地権物件に融資しにくい銀行もあるため注意

◆ 借地権を選ぶときの賢い考え方

  • 購入価格+月々の借地料=トータルコストで比較
  • **借地期間中のライフプランと一致しているか?**を重視
  • 将来的な住み替え・売却のしやすさも検討

◆ まとめ:借地権は“選択肢のひとつ”として活用を

借地権付き住宅は「お得そうだけど不安」という声が多いですが、自分のライフスタイルや資金計画によってはとても合理的な選択肢となります。

特に都心や人気エリアでは、土地付きよりも数千万円安く持ち家を持てるチャンスも。
しっかり内容を理解していれば、借地権付き住宅も安心して選べます。


◆ 不安なときは専門家に相談を

借地権物件は契約内容が複雑なこともあります。
不動産会社や司法書士など、借地権に詳しいプロに確認することをおすすめします。

🏠 借主が知っておきたい!家賃値上げ・退去要求・立ち退き料の正しい知識

「家賃を上げたい」「応じないなら出ていって」——そんな貸主からの通告、本当に正しいのでしょうか?
借地借家法では、家賃の値上げには借主の合意が必要です。合意しない限り、従前の家賃を払い続けていれば契約は有効に継続されます。また、強制退去は違法であり、裁判所の命令なしに退去させることはできません。正当事由がある退去でも、借主は立ち退き料を請求する権利があります。
知っているだけで住まいを守れる「正しい知識」、あなたは持っていますか?

~知らなきゃ損する「借地借家法」の基本~

1|家賃の一方的な値上げはNG。借主の同意が必須です!

「来月から家賃を1万円上げます」——
こんな通知が来ても、貸主だけの都合では家賃を変更できません

📘 法的根拠:借地借家法 第32条

家賃の変更には、以下のような合理的理由借主の合意が必要です。入居時の契約書にも条文があると思うので確認してみて下さい。

  • 固定資産税などの負担が増えた
  • 建物の維持費が著しく増加した
  • 周辺相場に比べて賃料が不相当に低い
  • 経済状況が大きく変化した

💬 合意しない場合はどうなる?

従前の家賃をそのまま支払い続けてOKです。

借主が新しい家賃額に合意していなければ、これまで通りの賃料を支払い続けていても契約は継続されます
その間、貸主は調停や訴訟などの法的手続きを経て「値上げの妥当性」を証明しない限り、強制的に値上げできません。

2|「合意しなければ出ていけ」は違法行為です!

貸主が借主の同意もなく家賃を上げ、「応じないなら出ていけ」と迫るのは法律違反です。

❌ 違法な強制退去の例

  • 勝手に鍵を交換 → 建造物侵入罪の恐れ
  • 家財道具を勝手に処分 → 窃盗罪や器物損壊罪
  • 張り紙や口頭で「出て行け」と通告 → 脅迫・威力業務妨害の可能性も

いかなる事情があっても、裁判所の「明け渡し命令」がなければ退去を強制できません

3|立ち退き料とは?

~退去に応じる代わりに請求できる補償金~

オーナーが「契約更新をしない」「立ち退いてほしい」と求める場合でも、借主を退去させるには正当事由が必要です。

📘 正当事由とは?

  • 建物の老朽化や建て替えの必要性
  • 貸主自身や親族の居住の必要性
  • 家賃の未払いなどの契約違反行為

しかし、多くの場合、この「正当事由」だけでは不十分とされます。
そこで、貸主は「立ち退き料(立退料)」を支払うことで、正当性を補完します。

💰 立ち退き料とは?

借主が「退去に応じる代わりに受け取る補償金」。
以下の費用が含まれます:

  • 引っ越し費用
  • 新居の敷金・礼金・仲介手数料
  • 引越に伴う家具・設備の入れ替え費用
  • 転園・転校による影響補填(家族帯同の場合)
  • 慣れ親しんだ生活圏を離れる精神的損害への補償

金額の相場はまちまちですが、月額家賃の6か月〜12か月分程度が交渉の目安とされています。

5|まとめ:借主の権利は法律で守られています!

📝 家賃変更には「合理的理由」と「借主の合意」が必要です

家賃を変更する際には、貸主側に経済的・社会的な合理的理由があることに加え、借主の合意が必要不可欠です。これは、借地借家法第32条に基づく原則であり、たとえ入居時の契約書に「家賃改定条項」が記載されていたとしても、自動的に値上げが成立するわけではありません

契約書にはよく「経済事情の変動や税負担増加等により、家賃の見直しを行うことがある」といった条文が盛り込まれていますが、これはあくまで値上げ交渉の可能性があることを示すにすぎず、合意がなければ効力を持ちません。

そのため、通知だけで値上げを受け入れたことにはならず、借主が納得しない限りは従前の家賃を支払い続けていれば契約は継続されます。

内容借主の権利と対応
家賃値上げの提案合意しなければ従前の家賃を払い続ければOK
値上げに応じないと退去と言われた応じる義務なし。強制退去は違法
一方的な退去通告正当事由がなければ無効。退去不要
立ち退き料の請求正当事由+補償として請求可能
法定更新時の値上げ合意がなければ旧家賃で契約継続

🛡 4|借主がとるべき対応ステップ

  1. 通知書・会話記録は保存(LINE・録音・張り紙など)
  2. 書面で値上げ理由や退去要請の根拠を確認
  3. 納得できない場合は合意せず、従前の賃料を支払い続ける
  4. 内容証明郵便で異議申立てを行う
  5. 法テラス・住宅相談窓口・弁護士に相談
  6. 退去する場合は立ち退き料をしっかり交渉する

✅ 最後に:迷ったらすぐ相談を!


  • 家賃は「貸主が決めるもの」ではなく、「双方が合意するもの」です。
  • 合意がなければ、これまで通りの家賃を払い続けていれば契約は有効です。
  • 不当な退去要求には応じず、必要なら法的手段で自身の権利を守りましょう。

不安なときは、一人で悩まず必ず専門家に相談を。
あなたの住まいを守る力は、「知識」と「冷静な対応」にあります。

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